目次
●「福寿草大地を割りて色ほどく」(稲畑汀子)

まさにこの写真。
大地を割り割いてニョキっと芽を出す福寿草。
2つに分かれ、斜めに突き出す蕾―
「ふたもとはかたき莟や福寿草」(召波)
その蕾は苞に包まれています。
「福寿草覆面をして蕾あぐ」(山口青邨)
両端に突き出すその形は紐を結んでいるかのようですね。
「福寿草のかたちに結ぶ祝ひ帯」(影島智子)
または、やんちゃな子坊主たちが思い思いにピョコンと顔を出しているようにも見えます。
「あたゝかく出ませる日子や元日草」(長谷川かな女)
その影は草に見えないかもですね。
「福寿草くさとは見えぬ影ぼうし」(桜井梅室)
●開きかけの魅力
やがて、少しづつ開き始めます。

この段階では、「金鉱をなお眠らせて 福寿草」(伊丹三樹彦)という感じ。
ですが、奥の蕾はもう光始めていますね。
「而して黄金小出しに福寿草」(鷹羽狩行)
●サーチライトか充填中か
こちらは、もはやサーチライトです。

あるいは波動砲発射前の太陽エネルギー充填段階でしょうか。
「黄は日射し集むる色や福寿草」(藤松遊子)
「福寿草日を一ぱいに含みたる」(高浜年尾)
●開花全開!
そして開くパラボラアンテナ。

「金の弁こぞりて開く福寿草」(阿部みどり女)
眩しい光を反射しています。
「福寿草ひらききつたりまぶしかり」(細見綾子)
金杯で祝福をあげるかのよう。

「福寿草の黄に陽たまれる豊かさよ」(島田青峰)
黄にたまった豊かさを飲み干しましょう。
時は極寒。その時期に地から顔出す地上の太陽。
これこそ最高の福音です。
「大地より金を放てる福寿草」( 山田閏子)

まさに「神の光」―アイヌの名付けも見事。
花弁の重なりも美しい


●終盤へ
1月下旬から咲き始め2月末に咲き終えるまで1カ月余り。
その中間2月中旬の様子。



「福寿草家族のごとくかたまれり」(福田蓼汀)
咲き終えた時の姿です

「葉の伸びて花の了りし福寿草」(川原道程)
名と体が見事にマッチした花でした。