●ごま色斑点病が蔓延した理由1 土壌環境
2018年の塩台風後に斑点病が増えたのは、レッドロビンが弱くなったから。弱くなった理由は、土壌が急激に酸性化したから。レッドロビンは酸性を嫌うため、石灰系のものを用いて土壌の酸度調整をする必要があったのに、何の手当もしていませんでした。
2019年の風台風による倒伏で根はブチブチと切られたことでしょう。その分養分の吸い上げも減るでしょうから2/3くらいに切り詰めたわけですが、土壌そのものの養分には目が行きませんでした。
引っ越して以来6年間、肥料も与えたことがなく、樹木に施す「寒肥」という言葉さえ知らない無知状況だったのです。レッドロビンは肥沃な土壌を好むそうで、栄養失調状態にあったわけです。
つまり、ロビン自体の問題ではなく、ロビンを支える土壌環境に問題があったわけです。
●ごま色斑点病が蔓延した理由2 菌の戦略
もう一つ、超重要な気づきがありました。
それは、毎日毎日地道に病葉取りしながら観察してわかったこと↓
「感染は上からだ!」
まぁ、菌の立場になって考えれば当たり前のことなんですが、小さな菌が風に乗って木に取り付いた後、この大きな木という組織をどう侵略していく? 雨水と共に滴り落ちていけば楽だよね~。
脚立に乗って剪定して上から眺めると、
この病葉のカビ菌が雨水と共に下に落ちるから あの葉に当って、そこで飛び散るから、あの葉とあれらの葉にうつったんだな~
という痕跡がありあり。その動線上にない葉は感染していません。
また、風がある方向に吹きやすい場所では、
この病葉の菌がこの風に乗って雨水と共に散ったとすると、この辺の葉に菌が散っているはず。
と、まさにその辺りの葉が病葉になっていました。
いや~、これまでは「落ち葉からの感染もある」などのネット情報で、視線は知らず下に誘導されていたなぁ…。だから、落ち葉は撤去したものの、天辺の剪定などしていなかった…。
どころか、2020年は多雨の年でメヒシバやタンポポなど酸性好きの雑草があちこちに生えていた上に、孫が喜ぶので、しょっちゅうホースで虹を作り垣根はよく濡れていました。なんと、水と共に上から下へと飛び散って広がるカビ菌の手助けをしていたんだ!(–;)
振り返ってみれば、落ち葉を堆積させたままの年でも酷い感染がなかったし、一方で落ち葉を徹底的に撤去した2020年には感染が爆発した。
「問題は下にではなく、上にあった」のです。
●「ごま色斑点病」の原因と対策
まとめ→ごま色斑点病が爆炎したのは、
- 6年以上無肥料で土が痩せて腹ペコになっているところへ、
- 弱り目(2018年潮台風で土壌が酸性土)に
- 祟り目(2019年風台風で倒木=根の切断)で木が弱り、
- とどめに(2020年多雨)+水撒きで菌が垂れ落ちるのを助け、
これほどまでに爆炎したというわけです。
天災+人災(私の無知)が合わさった結果でした。
かくして2021年は1月中旬から斑点病との闘いを開始。
結果、新葉は健全に成長し(6月)、半年で「ごま色斑点病」は完治したのでした。2021年は冬まで光沢ある葉を保ち、2022年3月完全復活を遂げました。
現在は、次の対策で病知らずです。
- 1.毎年2月に寒肥→グリーンパイルをトンカチで地面に打ち込むだけ。
- 2.2週間に一度木酢液300倍&ニームオイル1000倍の混合液を散布。(木酢液は菌/ニームは虫)
- 3.適宜剪定(天辺剪定&厚み減らし剪定/詳細は別途)
次回からは、2021~22にかけて行った、治療と強化の実践記録を記していきます。