●一番花
「犬陰嚢(いぬふぐり)あらぬ文ン字をあてがはれ」(高澤良一)のオオイヌノフグリ。でも別名は「星の瞳」。
2月中は眠っていたオオイヌノフグリ。

2018年3月2日。
そのオオイヌノフグリの一番花が開きました。

「これやこの一番星の犬ふぐり」(三村純也)
永い眠りからスッキリと覚めたように、目をパッチリと開けています。
「いぬふぐりぱちぱちと目をひらきけり」(平井照敏)
その美しい瞳に映るは目覚めの春。

「犬ふぐり藍より青き日を返す」(石塚友二)
●緑宙に碧星瞬く
3/11にはポツポツと点在して、緑宙に碧星が瞬くがごとくです。

まさに「犬ふぐり星のまたゝく如くなり」(高浜虚子)ですね。
日は惜しみなく降り注ぎ

「こんこんと日は恙なし犬ふぐり」(森澄雄)
その太陽に向かって目一杯背伸びしています。

「晴天にあやかり点青犬ふぐり」(香西照雄)
臥龍点睛で飛び立つ龍の赤ちゃんのようですね。
●春を広げる
プリムラがある頃は、プリムラが2月。続いて3月にオオイヌノフグリ。
プリムラは「primus(最初の)」というラテン語。厳しい冬を乗り越えて、早春にほかの植物よりも早く開花することから付けられた名だそうですが、その名にふさわしく春一番の名乗りを上げていました。
が、春が来るなぁ~と実感するのはオオイヌノフグリ。清楚な青と白なので、まさにさわやかな“青い春”(青春)が始まる感じ。
と、こちらにも群落が。

「犬ふぐり集落のごと點在す」(高澤良一)
かたまって咲く姿がいいですね。


「犬ふぐり咲くよと見ればかたまれる」(清崎敏郎)
プリムラが単体であることに比して、オオイヌノフグリはあちこちに群落をつくっているので、春が面的に広がっていくイメージがあります。
なので私の中では、
プリムラは冬の終わりを告げるピリオドの花。
オオイヌノフグリは春を開き、春を広げていくスタートの花。
犬フグリにその役を担わせているのは大地なのかもしれませんね。
「犬ふぐり大地は春を急ぐなり」(阿部みどり女)
●命の応援団
こちらは、ひしめき合って声援を送っているよう。

「犬ふぐり人なつつこさに犇めきて」(中村草田男)
ほら、立ち上がって腕振って歌ってる。

「犬ふぐり目つむり聞けば応援歌」(加藤秋邨)
●直ぐな心で青の時代を駆け抜けろ
どの花も素直な心持つ。
そして、誰もが素直に返れる花。

「犬ふぐり素直な心誰も持つ」(阿部みどり女)

「一点のいぬふぐり「青の時代」ありき」(山口青邨)
誰もが我が青の時代を謳いましょう。フグリが声援しているよ。
大好きな花です。