雑草

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●「植生の遷移」と雑草

大自然の中では、植生が次のように変遷していく。

▼ステップ1:土層形成

何も生えていない火山大地にコケや地衣類が生え、それが生死を繰り返す中で土層を形成。

▼ステップ2:土壌が豊かになる

次に、痩せ地でも育つ(=土壌中の栄養吸収率が高い)夏型一年草が来て、根の力によって地盤を溶かすと同時に微生物も集まってくる。枯れた夏型1年草も堆積し、微生物分解により土の養分が蓄えられる。

▼ステップ3:昆虫飛来

そこに越冬できる冬型1年草(二年草)が増え始め、それらが虫を呼び寄せる。

▼ステップ4:土壌が深くなる

次に多年草の雑草が根をどんどん広げて大地をさらに深く開拓していき、1年草型雑草は勢力を失っていく。

▼ステップ5:樹木の登場

そして、より深く根を張る必要がある樹木が登場し、低木→中木→高木と遷移して森ができていく。


ステップ2とステップ4はエゴ的植物が多く、ステップ3は共生型の植物が多い。共生出来て植生が多様ということは、根につく細菌も多様―つまり土中が賑やかになる。「腸内フローラ」が人の健康を維持するように、土中の細菌フローラが植物の健康を維持する。

庭を維持する=「ステップ3」状態を維持するということ。生物多様性の高い環境にすることが庭や畑の維持の極意だそうだ。

●雑草が雑草を抑える事例

冬ロゼット状で地面に張り付いていたり(タンポポ、ノゲシ、オニノゲシ、ハルシオン、ヒメジョオン、オオアレチノギク、ヒメムカシヨモギ、スイバ、キュウリグサ、オランダミミナグサ、ハハコグサ、チチコグサモドキ)、地に伏して群生していたりする(オオイヌノフグリ、ホトケノザ)が、これらが地面の乾燥などを防ぐと同時に、夏型雑草(メヒシバ、オヒシバ、エノコログサ、スベリヒユ、ツユクサ)の繁殖をある程度抑えているそうだ。
そういえば、以前スベリヒユやナガミヒナゲシがわんさか出ていた場所にマルバマンネングサが冬の間びっしりと地面を覆っていたりすると、その被害がない。

●雑草が好む土壌酸度

強酸性(pH4.5〜5.5)

スギナ、スズメノテッポウ、白クローバー、エノコログサ…

弱酸性(pH5.5〜6.5) カタバミ、アカザ、ギシギシ、オオバコ…
微酸性(pH6.5〜7.0) レンゲソウ、ナズナ、コニシキソウ…
中性  (pH7前後~) ハコベ、オオイヌフグリ、ホトケノザ…

●野菜が好む土壌酸度

雑草の生え具合で土壌酸度の予想が付けば、その酸度に相応しい野菜を植えると成功率が上がるのだろう。

強酸性(pH5.0〜5.5)

弱酸性(pH5.5〜6.5) ショウガ・ジャガイモ・ブルーベリー・イネ・キャベツ・イチゴ・ダイコン・ミカン・リンゴ…
弱酸性(pH6.0〜6.5) トウモロコシ・ネギ・ハクサイ・ブロッコリー・カボチャ・スイカ・ナス・ピーマン…
微酸性 (pH6.5〜7.0) サトウキビ・ホウレンソウ・ブドウ…

●雑草カレンダー

1月

7月

11月

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