掲載俳句

サイトに掲載されている俳句の一覧です。
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目次

<花々>

朝顔

●二度と見られぬ景観:朝顔の波(ビッグウエーブ)
「朝顔の蔓の自由を籬とす」(稲畑汀子)
「とりつきて蕣上る柳哉」(正岡子規)
「朝顔となりおほせたる垣根哉」(正岡子規)
「朝顔の百花に蔓を葉を隠し」(鷹羽狩行)
「嵐の夜あけ朝顔一つ咲き居たり」(尾崎放哉)
「朝顔のひらきはじめてとどまらず」(鷹羽狩行)
「何も彼も庭は蕣だらけなり」(正岡子規)
「今日の色萎え朝顔の朝終る」(稲畑汀子)
「朝顔でなければ見られぬ紫と桃色」(細見綾子)
「朝顔の咲きも咲きたる陋居かな」(百合山羽公)  

●「空よりも碧き朝顔」と空中庭園
「朝顔のつる吹く風もなくて晴れ」(村上鬼城)
「空よりも碧き朝顔咲きにけり」(日野草城)
「朝顏にあさつての莟多き哉」 (正岡子規)
「朝顔の蕾太しや明日ありと」 (林翔)
「朝顔の藍澄みて今日もよき晴れか」 (村山故郷)  

福寿草

●地を割りて金を放つ福寿草
「ふたもとはかたき莟や福寿草」(召波)
「福寿草覆面をして蕾あぐ」(山口青邨)
「福寿草のかたちに結ぶ祝ひ帯」(影島智子)
「あたゝかく出ませる日子や元日草」(長谷川かな女)
「福寿草くさとは見えぬ影ぼうし」(桜井梅室)
「金鉱をなお眠らせて 福寿草」(伊丹三樹彦)
「而して黄金小出しに福寿草」(鷹羽狩行)
「黄は日射し集むる色や福寿草」(藤松遊子)
「福寿草日を一ぱいに含みたる」(高浜年尾)
「金の弁こぞりて開く福寿草」(阿部みどり女)
「福寿草ひらききつたりまぶしかり」(細見綾子)
「福寿草の黄に陽たまれる豊かさよ」(島田青峰)
「大地より金を放てる福寿草」(山田閏子)
「福寿草家族のごとくかたまれり」(福田蓼汀)
「葉の伸びて花の了りし福寿草」(川原道程)  

●旧正月に乾杯トトロ福寿杯
「土の香のはなはだ強し福寿草」(吉岡秋帆影)
「地に低く幸せありと福寿草」(伸秋)   

クロッカス

●「クロッカス光を貯めて咲けりけり」(草間時彦)
「クロッカス地に花置きし如くなり」(高浜年尾)
「大地割れ彩の出でしはクロッカス」 (小路智壽子)
「クロッカス黄に日溜りの陽を吸へり」(山本満義)
「クロッカス全き影の芝にあり」(片桐美江)
「クロッカス松葉の如き葉に守られ」(阿部みどり)
「クロッカス光を貯めて咲けりけり」(草間時彦)  

●光るクロッカスー中トトロとメイ
「クロッカス光を貯めて咲けりけり」(草間時彦)  

●「忘れゐし地より湧く花クロッカス」に会いに来た鹿ファミリー
「忘れゐし地より湧く花クロッカス」(手島靖一)
「クロッカス妻と二人の旅もがな」(山本歩禅)
「日が射してもうクロツカス咲く時分」(高野素十)  

黄水仙 ●終末の世に俳句尽くしの黄水仙
「何もなき土より現れて黄水仙」(稲畑汀子)
「水仙の莟隆々苞の中」(山口青邨)
「前庭の隅を明るく黄水仙」(塩路五郎)
「俯ける首すぢ太し黄水仙」(小橋末吉)
「「終末」の世を照らすごと黄水仙」(鈴木阿久)
「日に向かひ喇叭捧ぐる黄水仙」(小川玉泉)
「限りある生命を謳ふ黄水仙」(犬塚李里子)
「黄水仙どこにピントを当てようか」(林裕美子)
「黄水仙黄の一色の鮮烈な」(大橋敦子)   
源平小菊

●初々しい青春の源平小菊
「悠悠自適庭すみに小菊咲き」(岩崎真理子)
「いっぺんに小菊が咲いて猫日和」(石橋翠)
「白菊のいのち永きといふものを」(藤生不二男)
「白菊は日陰の中で尚白し」(篠原敬信)

●“大空にあけつぴろげの”源平小菊
「一区画小菊の世界さり気なく」(木村宏一)
「どこにでも坐りたくなる野菊晴」(坂口夢塔)
「大空のあけつぴろげの野菊かな」(依田秋葭)

シャガ

●半年で存在を示したシャガ
「木洩れ日のしたたるところ著莪の花}(直江裕子)
「杉はみな直立著莪はみな傾斜」(蔦三郎)

●シャガ3月花芽時
「葉より葉へ光の雫著莪に雨」(佐用圭子)
「朝光といふ著莪の花明りかな」(稲畑廣太郎)

●シャガの4月は鳴鳥の群
「惑星の水匂ひけり著莪の花」(本多俊子)
「木漏れ日に一面の著莪はしやいでる」(羽賀恭子)
「著莪の花日暮れは鳥の真似をする」(橋爪鶴麿)

●緑の波頭に浮かぶシャガの花
「著莪の花波打つ厚き葉の中に」(木村茂登子)
「著莪の花かほどまで無垢ならずとも」(田辺博充)
「群れ咲いて著莪の明るき峠道」(野崎昭子)
「裏門の木洩れ日はじく著莪の花」(山田怜子)
「著莪咲けば庭の中心移りけり」(稲畑汀子)

●シャガの諸相・シャガ灯り
「土の香や庭の隅より著莪あかり」(篠田純子)
「寄りゆけば紫あはし著莪の花」(阿部ひろし)

●シャガの花の色彩と構成の中にいた二柱
「紫の斑の仏めく著莪の花」(高浜虚子)

サルビア ●燃え上がる炎のごとし緋衣草(サルビア)
「前庭にサルビアの火をはなち住む」(藤岡筑邨)
アマリリス ●24時間内で4輪全て開花するアマリリス
「アマリリス眠りを知らずただ真紅」(堀口星眠)
「四つの花四方へ開きてアマリリス」(日野草城)
● やはり野に置けアマリリス
「四方に告ぐここにわれありアマリリス」(小沢信男)
「アマリリス炎のいろ珈琲香だちゐて」(柴田白葉女)
鉄砲百合 ●黄色い蕊放つ鉄砲百合
「百合の莟開くばかりに濃くなりぬ」(山口青邨)
「いよよ咲く百合よ歓喜の蕊放ち」(林翔)
「こたへなし百合の花粉ははなびらに」(加藤秋邨)
「百合の蕊いのちのはじめ濡れてゐし」(正木ゆう子)
「百合の蕊ゴッホの黄より濃かりけり」(阿波野青畝)
ミソハギ ●お盆に舞うミソハギ
「風立ちてみそはぎ一気に華やぎぬ」(小島昭夫)
花魁草 ●夕日に番傘が似合う花魁草
「色に惹かれ名に諾へり花魁草」(新井八重子)
「花魁草花簪の重たげに」(網野茂子)
「おいらん草こぼれ溜りし残暑かな」(杉田久女)
「夕暮の空にとけ込む花魁草」(内藤八重)
「妙齢はすぎてをりけり花魁草」(足立幸信)
「花魁草宿の番傘さしてみる」(岩崎皓子)

<雑草>

オオイヌノフグリ

●春を開き、広げていくオオイヌノフグリ
「犬陰嚢(いぬふぐり)あらぬ文ン字をあてがはれ」(高澤良一)
「これやこの一番星の犬ふぐり」(三村純也)
「いぬふぐりぱちぱちと目をひらきけり」(平井照敏)
「犬ふぐり藍より青き日を返す」(石塚友二)
「こんこんと日は恙なし犬ふぐり」(森澄雄)
「晴天にあやかり点青犬ふぐり」(香西照雄)
「犬ふぐり集落のごと點在す」(高澤良一)
「犬ふぐり咲くよと見ればかたまれる」(清崎敏郎)
「犬ふぐり大地は春を急ぐなり」(阿部みどり女)
「犬ふぐり人なつつこさに犇めきて」(中村草田男)
「犬ふぐり目つむり聞けば応援歌」(加藤秋邨)
「犬ふぐり素直な心誰も持つ」(阿部みどり女)
「一点のいぬふぐり「青の時代」ありき」(山口青邨) 

タンポポ

●タンポポ:綿毛の中の小宇宙
「たんぽぽの絮になる日のいつも謎」(石井美穂)
「たんぽぽの絮とは吹いてみたきもの」(安部弘範)
「たんぽぽの絮毛飛ばさぬやうに折る」(山本一歩)
「たんぽぽや千切らるるたび乳を吐く」(阿波野青畝)
「去るものは去りてすつくと絮たんぽぽ」(鷹羽狩行)
「たんぽぽの皆上向きて正午なり」(星野立子)
「たんぽぽの閉づれば天気変るなり」(松本たかし)
「全きはたんぽぽの絮なりしかな」(稲畑汀子)
「たんぽぽの絮に透かしてこの世見る」(鈴木貞雄)

仏の座

●五頭龍かお稲荷さんか「仏の座」
「膝つきしところにありし仏の座」(栗田素江)
「もう一つ満開の花仏の座」(上島清子)

カラスノエンドウ

●桃蝶、飛鳥、そして黒刀の烏野豌豆(カラスノエンドウ)
「草化して胡蝶になるか豆の花」(正岡子規)

紫蘇

●「こぼれ種継つぐを止やめざる命かな」の紫蘇
「麦秋の紫蘇べら~と唐箕さき」(飯田蛇笏)
「雑草に交らじと紫蘇匂ひ立つ」(篠田悌二郎)
「葉を小さくして青紫蘇の花用意」(大橋郁)
「青紫蘇を刻めば夕餉整ひし」(星野椿)
「紫蘇一本植ゑて何かと重宝な」(坊城としあつ)
「紫蘇の花咲く一隅がわが一隅」(細見綾子)
「紫蘇の葉の衆生に垂れし掌の如く」(邊見京子)
「こぼれ種継つぐを止やめざる命かな」(空茶)

三つ葉

●恵みの風味が生えてきた―ようこそ三つ葉
「風に香を移し清しき三葉芹」(德田千鶴子)
「三葉噛んで光源氏に逢ひたしや」(長谷川秋子)
「冬霞三つ葉に花を見つけたり」(渡辺水巴)
「味噌汁の三つ葉の岸を箸に乗せ」(柳本渓光)
「黒土に三つ葉とびとび分教場」(佐野美智)

背高泡立ち草

●セイタカアワダチソウの成長過程
「いちめんの黄色は背高泡立草」(今井杏太郎)   

●完碧の空に真黄の花鉾―背高泡立ち草
「泡立草毒もつ如き碧き空」(西藤 昭)
「万葉の丘に鉾立つ泡立草」(塩川雄三)
「つん抜けて本領発揮泡立草」(高澤良一)  

イヌタデ

●気負わぬ生き方を教えるイヌタデ
「廃れたる赤のまんまのままごとも」(栗城光雄)
「赤のまま野道を淡くかざりをり」(池田光子)
「あるがままただそのままに赤のまま」(和田俊夫)
「負けん気も弱気もなくて赤のまま」(水谷芳子)
「逆らはず從はず生き赤のまま」(塩路峰)
「気負はずに歩いて行かう赤のまま」(箕輪カオル)
「争ひの無縁なるかな赤のまま」(祐森彌香)
「夏先の色薄けれど赤のまゝ」(高澤良一)
「暁光を小粒に受けて赤のまま」(林翔)
「一本を一心に見る赤のまま」(大串章)
「雨なれば雨の花なり赤まんま」(平子公一)

ヒメジョオン

●猛暑ものともせぬヒメジョオン
「姫女苑どこにでも咲き父の日なり」(安住敦)
「ひめじょおん作り込まない庭が好き」(高澤良一)

ミズヒキ

●空間にアクセントをつけるミズヒキ
「小暗きに一穂の艶水引草」(赤井淳子)
「水引の花の消え入る虚空かな」(福井圭児)
「朝の日が当れば太し水引草」(山口青邨)
「意志に色あらばくれなゐ水引草」(都筑智子)
「水引の花茎にのり空へのび」(上野章子)
「水引の跳ね一茎も交はらず」(藤田八郎)
「水引の触れあひて糸絡まざる」(土屋いそみ)

その他

●“蔓”草や兵者どもが夢の跡
●“ロボ兵朽ちて”夢は枯野をかけめぐる

<樹木>

白梅/梅

●大寒の候―白梅に探梅トトロ来ていたり
「白梅に探梅蜂の来ていたり」(古川忠利)
「探梅の一花を見上ぐ静と動」(広瀬克子)
「探梅やぽんといふ音したやうな」(篠田純子)
「探梅や酒の小瓶を懐に」(小野喬樹)
「探梅や案内は鼻の向くままに」(時澤藍)
「ふはふはと土に浮く足梅探る」(山田六甲)
「探梅す的中みごと至福かな」(小林はじめ)
「探梅や一本のみの木に触るる」(笠原フミ) 

●賞梅トトロに突入する三輪メイ
「殺風景な狭庭にぽっと梅明かり」(金井香ル)
「白無垢の梅の香りに日当れる」(竹下陶子)
「神々の宴さながらに梅競ふ」(岩月優美子)
「日当れる梅の根元に孕み猫」(松井倫子)
「梅便り石打籠も顔出せり」(村越化石)
「梅の宿隠れ住むとにあらねども」(冨山俊雄)
「朝が過ぎ昼が過ぎゆく梅の頃」(阿部ひろし)  

●ゴン太のほのぼの梅見酒(2022,2023)
「梅に酔ふ陶狸のとくり軽くして」(鷲尾敏子)
「快晴でありつづけんと梅冴ゆる」(稲畑汀子)
「梅の花ぱっとほころぶあたたかさ」(森田泉美/小六)
「木の碕子に並んで座る梅日和」(村淳子)
「よく晴れて梅見の日和とはなりぬ」(細見綾子)
「はこべらに梅見の酒をこぼしたり」(河合佳代子)
「白梅に尊き一と日一と日なり」(上野章子)

●送梅旅行の鹿ファミリー
「日の匂ひ風の匂ひや梅日和」(塩路五郎)
「観梅やよく日の当る谷の中」(渋沢渋亭)

●盆栽梅、庭植え後の初春
「盆梅の花の大きさ目に立ちて」(高浜年尾)
「まばたきに似て白梅の二三輪」(朝倉和江)
「白梅や陽のさし込みし枝の先」(横田昌子)

●西から東から賞梅三昧
「咲き満ちて白梅の日にとけるかに」(師 照子)
「白梅の盛りの枝の飛沫くごと」(西村和子)
「白梅のりりしき里に帰りけり」(横光利一)

●梅真白の勇氣
「花びらを支へる紅き梅の萼」(出口誠)
「近づけば向きあちこちや梅の花」(三橋敏雄)
「梅の花 笑うて 邪気の払われて」(伊丹三樹彦
「勇気こそ地の塩なれや梅真白」(草田男)

木瓜

●ついに迎え入れた「人目を奪ふ木瓜の花」
「日溜りに人目を奪ふ木瓜の花」(善野行)
「頑な枝ぶり木瓜は朱を零し」(山田暢子)  

●美しい朱の木瓜の花―丸いリンゴから裂けたリンゴへ
「何事も丸くおさめて木瓜の花」(齋部干里)   

●“ひしひしと咲く”木瓜の花に寄り添うオーブ(?)
「屈託のなき風うけて木瓜は朱に」(藤岡紫水)
「土近くまでひしひしと木瓜の花」(高浜虚子)  

野薔薇

●ついに咲いた3年越しの可憐な野薔薇
「野いばらの青むとみしや花つぼみ」(飯田蛇笏)
「茨咲きぬ朝は真珠のいろに覚め」(石原八束)だね~。
「花茨の日かげ日向や夏木立」(島村元句集)の風情ですね。
「野薔薇や蜂の羽音の昼下がり」(詠み人知らず)
「野茨の色香ほのかや日暮どき」(青木政江) 

●いきなり満開?の野薔薇
「野茨のいと伸びやかに雨のあと」(長坂ヤス子)
「野いばらの赤き実冬日にくるまれて」(山上良江)

●野薔薇の光彩「昼の夢」のごとく
「野茨の昼の夢なん花真白」(原石鼎)

こでまり ●咲き始め~終わり:花芯の変化(こでまり)
「こでまりのかすかに揺らぐ癒えたしや」(大村富美子)
●こでまり―「手毬」の由来
「大手毬小手毬手毬ほろぶとも」(矢島渚男)
「手毬つく手首天地へ上下せり」(鳥居真里子)
ドリフトローズ

●地から花束ドリフトローズ
「開き切り薔薇の真中あらはなり」(鈴木えり子)
「水滴の黄のしたたれる薔薇の雨」(志方章子)
「赤々と薔薇の芽育つ雨上り」(須賀敏子)
「日の差して雨滴の黄薔薇ほどけさう」(片山煕子)
「息づきの聞ゆる薔薇のつぼみかな」(灘秀子)
「薔薇の香とハーブの香り並びけり」(稲畑汀子)

柚子 ●3年目の果実(柚子)
「ほのと香の三千世界花柚かな」(飴山實)
「いとけなき神の手工の柚子ひとつ」(上田五千石)
紫陽花 ●緑に始まり緑に終わる七変化(紫陽花)
「萬緑の一紺として四葩冴ゆ」(石塚友二)
「あじさいの滴り青く雨の旅」(飴山實)
「日蔭の色 日表の色 七変化」(伊丹三樹彦)
「紫陽花の終の色こそ無慙なれ」(相生垣瓜人)
「紫陽花や紫尽きて浅緑」(正岡子規)
エリカ ●エリカの秋は濃むらさき
「しやぼん玉エリカに触れて割れにけり」(阿波野青畝)
「エリカ咲くひとかたまりの濃むらさき」(草間時彦)
立寒椿

●雪の中の寒椿(2017-19)
「寒椿おのがみどりにてり映えて」(林原耒井)
「寒椿しだいに雪の明るくて」(横光利一)
「朝の日に金を抱ける寒椿」(宗像夕野火)
「天険に一輪赤き寒椿」(吉澤卯一)

●青空―立寒椿
「一日に一度は見上ぐ山茶花を」(細見綾子)
「劫火なれや冬椿まつ赤に咲ける」(長谷川かな女)
「冬椿風の日向によく揺れて」(高濱年尾)
「冬椿一輪にして機嫌よく」(斎藤玄)

●立寒椿―花の生涯、蕊の生涯
「寒椿蕾は色を握りしめ」(川島雨龍)
「寒椿力を入れて赤を咲く」(正岡子規)

<蝶>

夏の蝶(揚羽)

●スペアミントに若蝶、大根の花に成蝶
「夏蝶のまだらマグダラマリアかな(夏井いつき)
「とぶことのゆるくて大き揚羽蝶」(日野草城) 

●アゲハ:カラフルとモノトーンの中で
「うれしくて蝶の心となつてをり」(西美知子)
「花枕して黒揚羽横たはる」(上野泰)

●若武者揚羽と彼女のデート先:バーベナ
「平然と夏蝶前を横切れり」(星野高士)
「夏蝶や威しも紺の大荒目」(水原秋櫻子)
「見初めたるあとはや次ぎの蝶来る」(山口誓子)  

●林立するカクトラノオ・タワマンに取り付くアゲハ
「百合につききりの揚羽の翅休めず」(右城暮石)
「一粒ずつ砂利確かめて河原の蝶」(西東三鬼)   

●‟疾く揚羽”と‟蓄熱揚羽”の「動」と「静」
「夏の蝶日かげ日なたと飛びにけり」(高浜虚子)
「揚羽蝶背を強き日に照らされし」(山口誓子)   

●「破れちゃいるが、敗れてねーよ」のアゲハたち
「揚羽蝶とまるを見れば翅を欠き」(山口誓子)
「梅雨の蝶破れかぶれとなりにけり」(香西照雄)
「古揚羽その諸肩を見送りぬ」(三橋敏雄)
「揚羽蝶羽傷けり自は知らず」(山口誓子)   

●なんと!3月にアゲハ!!アネモネ&水仙との珍しきツーショット
「まことちさき花の草にも夏の蝶」(原石鼎)   

●柚子に産卵するアゲハの手つき足つき
「雲立つと揚羽は卵産みにけり」(藤田湘子)
「揚羽蝶おいらん草にぶら下る」(高野素十)  

●藤袴とコバノランタナの群生:アゲハの華麗な舞
「何事の心いそぎぞ秋の蝶」(正岡子規)
「緑より緑へ揚羽飽かず飛ぶ」(大野林火)  

●薄紫のガラス細工のような美しいカリオプテリスに夏の蝶
「かへし来る翅を待つなる揚羽蝶」(山口誓子)
「国立美術館より夏の蝶」(橋本榮治)   

アオスジアゲハ

●空飛ぶティールブルーの宝石アオスジアゲハ
「とぶ翅に碧ちらつかす揚羽蝶」(山口誓子)
「すぐゆくべく揚羽蜜吸ふ翅せはし」(橋本多佳子)
「碧揚羽翅を平らにして見する」(山口誓子)
「日光のひかり増したり碧揚羽」(山口誓子)

キアゲハ

●キアゲハは傾奇者?―肩模様と歌舞いている毛
「台風あと黄の揚羽蝶あらはれし」(細見綾子)   

シジミチョウ ●裏と表でまるで別人―灰から生まれた青い宝石ヤマトシジミ
「地に沿ひて石ころ色のしじみ蝶」(寒暑)
「小灰蝶 草の葉先で 羽を休め」   
紋白蝶

●石の上で時の止まりしモンシロチョウ
「初蝶の触れゆく先の草青む」(野澤節子)
「蝶触れて時の止まりし磧石」(清水晃子)

●汚れなき花に汚れなき蝶
「初蝶の己が白さを淋しがる」(原田青児)
「初蝶の白さや過去を持たざるもの」(岡本眸)
「初蝶の光動かし来たりけり」(野村澄子)

黒アゲハ ●ダンディー黒アゲハ
「蝶一つ撫子の花を去り得ざる」(正岡子規)
「蝶々の黒きは男姿かな」(正岡子規)

<昆虫>

アキアカネ ●「秋津虫」来たり、ここは「秋津洲」
「半衿の模様うれしき赤蜻蛉」(徳岡蓼花)
「いつも一人で赤とんぼ」(種田山頭火)
コカマキリ ●白黒写真のようなコカマキリー翅は鮮やか
「遠目にも蟷螂の貌こちら見る」(森理和)
「蟷螂の土色を濃く生きてをり」(伊藤白潮)
「蟷螂が首を回して我を見る」(小林朱夏)
「蟷螂は半身に構へ振り向けり」(原田竜子)
「蟷螂の長き凝視でありにけり」(三瀬教世)
「蟷螂の後退さる翅ひろげけり」(石田勝彦)
「蟷螂の貌も構へも三角形」(水谷昭代)
カマキリ ● 紛れたり、反ったり、直線になったり・・・面白蟷螂たち
「蟷螂の草の色して草の上」(岡野ひろ子)
「蟷螂の草にまぎれる薄みどり」(鈴木セツ)
「蟷螂の葉を伝ひゐる確かさよ」(武田孝子)
「緑眼の蟷螂生身の斧をあげ」(福田蓼汀)
「蟷螂の鎌を構へてしづかなり」(藤井彰二)
「墓にのぼりて蟷螂が身を伸ばす」(廣瀬直人)
子蟷螂 ●命の賑わい子蟷螂
「蟷螂のしたたる如く現はるる」(松宮文代)
「蟷螂の仔のまだ縦に横に這ふ」(右城暮石)
「現し世にかまきりの子の生れ合ふ」(伊藤白潮)
「仔蟷螂親放れよくかたまれる」(右城暮石)
「蟷螂の子皆一色や秋の風」(原石鼎)
「小蟷螂かぼそき鎌を構へけり」(辰巳陽子)
「子蟷螂その身構への親譲り」(松本峰春)
「さかしまに尻上げ透くる子蟷螂」(渡邉美保)
「ほそほそと蟷螂の子の透けてをり」(辻美奈子)
「草々に草の色して子蟷螂」(小河原清江)
「蟷螂の子が生まれ散る八方ヘ」(右城暮石)
女郎蜘蛛 ●ジョロウグモの忍耐
「じたばたをぐるぐる捲きに女郎蜘蛛」(高澤良一)
「おっとっと女郎蜘蛛の囲眼の前に」(高澤良一)
「手も脚も腹も化粧ふて女郎蜘蛛」(高澤良一)
「囲の央に押し出しのよき女郎蜘蛛」(高澤良一)
「女郎蜘蛛己が囲にゐてみじろがず」(釣巻由美子)
「女郎蜘蛛身しろぎもせず神の前」(横山白虹)

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